2025年11月5日
きょうのKeril #25〜遠くはなればなれでも、きっとつながる〜
みなさん、こんにちは。
きょうのKerilは宮谷が担当します。
Kerilが手掛けるYouTube番組『KERIL HOUSE』の最新回に出演しました!
10/26公開回から新しいロケーションになったKERIL HOUSEですが
第0回ぶりのやない×いくみんの登場&当番組の代表企画「What’s In My House」をお届けしました。
私が“おうちにあるお気に入りのもの”として紹介したのは、
音楽家・坂本龍一の2020年の音楽活動を集約したコンプリートボックス
『2020S』に付属された「陶器のオブジェ」。
この『2020S』のオフィシャルライターを務めさせていただいたのが2020年。
もう5年前になるんですね…。
私にとってこの陶器のオブジェは、親愛なる坂本龍一氏のお仕事ができたこと、
そして、素晴らしいプロジェクトに携わることができたことの証でもあります。
陶片のオブジェはもともと一枚の大きなお皿で
佐賀の唐津からニューヨークへ渡り、絵付けをされて再び唐津に戻って焼き上げ
さらに再びニューヨークに渡り、坂本さん本人の手によって割られる…という
壮大な旅を経て、いま私の手元にあります。
陶片自体も、元々はもう少し大きいものだったのですが
長年の付き合いで、ともに坂本龍一氏の音楽について語り合ってきた友人が
海外に引っ越しをする際に、分け合いたくて小さく割りました。
トンカチで頑張って叩いてみたのですが、なかなか割れず苦戦…。
厚みもしっかりあって、とても丈夫に作られたお皿なのだと改めて感じたものです。

(割った直後の様子。トンカチだときれいに割れませんでした)
この陶片は『2020S』を購入した人たち皆さんが手にとっていて、
坂本龍一氏自身も、生前に陶片を連ねて楽器にして、楽曲に使用していました。
きっと遠くはなればなれに生活し、人生のうちに偶然出会えるかどうかわからない。
そんな私たちが、同じ陶片を所有して、遠く離れた人たちを想像して、繋がり合うことができる。
大切なものを、大切にできる人たちで共有し合えている、という
喜びや安心感みたいなものがこの陶片にはあるのです。
(陶片の音色は坂本氏最期の作品『12』の「20220304」で聴くことができます)
この陶片を友人に渡したのも、
もちろん友人が坂本氏が好きだったということももちろんありますが、
海を挟んで遠くの場所に住んでいても、私たちには確かなつながりがあったことを、
あなたの人生を応援している人がいることを
ふとした時に思い出してもらえたら嬉しいなと思ったからだったな、と
久しぶりに陶片を手に持って思い出したりしました。
見て、触れて、ヒストリーを感じられるもの。
受け取った人が、そこに自分の思いや記憶を寄せて、想いを馳せられる
そんなモノづくりのあり方を、Kerilで大切にしていきたいです。
けいこさんのWhat’s In My House回はこちら。
内容もリンクするので順番に見ていただけると嬉しいです!
(けいこさんも私もとても元気そうです)
